今こそ、『FREE<無料>からお金を生みだす新戦略』を読もう!

2017年9月5日

FREEアイキャッチ2009年に出版されたクリス・アンダーソンのベストセラー『FREE』は、今こそ必読の一冊だと思います。
生産限界費用が下がり続け、製品やサービスが潤沢に溢れている現状の中で、「私たちはどう生きるのか」ということがこの本のテーマだからです。

テクノロジーの発展により、コンピュータの処理能力が飛躍的に向上し、あらゆる生産コストが下がり続けて、ビット化(電子化)できる製品は、いずれすべてFREEになるか、FREEと競争することになります。

まずは、そうなった時のビジネスモデルの解説からご紹介しましょう。
この本では4種類のFREE(無料)戦略が述べられています。
FREE無料からお金を生み出す戦略_001① 直接的内部相互補助
無料商品(目玉商品)を提供して、別の有料商品も買ってもらうビジネスモデルです。
たとえば、かつて携帯電話やスマートフォンの本体は無料で、その分を月額料金に上乗せし、有料の通信・通話契約をしてもらうというのがありましたよね。
『FREE』の第5章では、同様に自動車をタダであげて(正確には3年間のリース契約を結べば無料で電気自動車を借りられる)、走行距離に課金するベタープレイス社の例があげられています。

”ヨーロッパ諸国のように、ガソリン税率が高く再生利用可能エネルギーが豊富な国では、ガソリンと電気の価格差は4ドルまで広がる。ベタープレイスはその差額で、自動車代金のコストを補填する”(P107より)

なのだとか。
FREE無料からお金を生み出す戦略_002② 三者間市場
典型的なのはTV番組とそのCMに関わるものです。TV番組制作者は、CMを流したいスポンサーからお金をもらい、TV番組を無料で視聴した消費者は、CMを通じて知った商品を購入します。間接的ではありますが、消費者はTV番組やCMの制作者にお金を払っている仕組みです。
インターネットのコンテンツも、この三者間市場で展開されているケースがあり、無料でも有料のものと同じコンテンツを見ることができます。

FREE無料からお金を生み出す戦略_003③ フリーミアム
30日間お試し体験版ソフト、機能限定版ソフト、海賊版ソフトなどなど、無料のソフトを消費したユーザーの一部が、有料のものを購入して利益が出るというビジネスモデルです。無料ソフト消費者の数が多ければ多いほど、有料で買ってもらえる可能性も高くなります。
中国ではすぐ偽物が出回りますが、今は、年収の上がった中間層は偽物を買わず、正規の商品を購入するので、ブランド物の売り上げが伸びているそうです。偽物でブランドの存在を知り、「いつかは本物のブランド品を」と夢みた世代がお客様になるパターンです。

FREE無料からお金を生み出す戦略_004④ 非貨幣市場
金銭的な要求はせず、製品を提供し、代わりに、人々の注目を集め、信用されることを目的とします。
注目度と信用度が上がれば、グッズ展開やメディアミックスのコンテンツ使用料などで金銭に変換することも可能になってきます。くまモンなどが良い例ですね。
注目度が上がった時点で広告を入れると、三者間市場に切り替えることもできます。

稀少性のポールシフト
生産コストが下がって供給量が増えれば、当然その製品の稀少性も下がり、コモディティ化します。そして、一旦コモディティ化したものに稀少性を持たせるのは、とても難しいことです。
これからのビット経済を生きてゆくには、一見コモディティと思われるような物事の中にも新しい価値を見出し、発想転換によって稀少性を創造していくといった、新たなビジネスモデルの構築が必要になります。
上記の4種類のFREE(無料)戦略は、コモディティ化したものに稀少性を見つける方法です。
今、世界中の若い世代は、潤沢にあるFREEの中で育ち、前の世代とは違った価値観の中で生きています。
日本のデフレという現象も、<これまでの価値観における稀少性>を軸にしたビジネスモデルでは、押し寄せるビット経済の波に太刀打ちできなくなっているということではないでしょうか?

世の中は天国に向かっている
昔々、人々は畑に出て作物を作ったり、家畜の世話をしたり、漁をしたりして生きていましたが、今はそうしたことをしなくても、食べ物にありつけるようになりました。当時の人々が現代の世界を見たら、きっと天国だと思うことでしょう。
ただし、現在でも、モノを手に入れるにはお金を稼がないといけないので、人々は何等かの労働に従事しています。
ところが近年では、テクノロジーの発展で生産限界費用は限りなくZEROに近づき、無料で提供できるものがたくさん出てきました。
そのうち人類は、衣食住を得るための労働から解放され、もっと創造性を発揮できるような生き方をするようになるのではないでしょうか。


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